先日、酔っ払いついでに書いた記事が思いのほか食いつきがよかったので、調子に乗って、試しにちょっとターゲット層を若めにシフトして書いてみます(笑)。


社会人になって、若いみなさんは論理的思考、ロジカルシンキングみたいなものの獲得に励んでいる人も多いかと思います。これはこれで良いのですが、鋭いロジックを振り回せたら万能、なんて思ってないですよね?

今日も新人の子と話してて思ったのですが、仕事の中では、理屈でスパッと割り切れなくて悩む話も多いと思います。例えば、人事や総務といったスタッフ業務。こういった仕事は、ロジックで分析して終わり、なんて簡単な仕事じゃありませんが、逆にそれゆえ何をすれば良いのか、よく分からないことも思います。

そこであえていいますが、ロジックで正解出して終わりなんて仕事は、全然、人的価値のない仕事ですよ。どんなに数式が複雑になろうと、1足す1は2、みたいな仕事は、最終的には人的価値のない仕事です。

ちょっと脱線しますが、少し前、日本はものづくりの国だ、職人は1ミクロンの違いが分かる、神様みたいだという話がありがたがられたことがありましたが、1ミクロンの違いを工作機械で完全制御出来るようになったら、その技術はまったくもって陳腐化しました。

何が言いたいかと言うと、論理的に整理できる、定量化出来るといったスキルは使いやすいしそれなりに必要だけれども、ビジネス雑誌で喧伝されるほど、真の人材スキルとしては実はプレシャスではない、ということです。

じゃあ、何を磨けばいいのかですが、いかなる仕事にも共通して大切な人材スキルは、「想像力」です。(これは、自分自身が役所から企業に転職して痛感したことでもあります。)

「こうするべき」とロジカルに分析して言い放つ事は、それほど難しいことではないです。しかし、それを納得してもらって、実際にその通り動いてもらう事は、非常に難しいことです。じゃあ、どうしたらいいのか?ここで想像力が活きてきます。

想像力というのは、何かのアクションをとった時に、相手がどう感じるのか、物事がどう動いていくかといった、結果の「全体」をイメージする能力です。その全体像の中では、ロジカルな整理では拾い尽くせない、さまざまな考え方や受け止め方が存在しており、そうした豊かなイメージのなかで、どのような打ち手がどのような結果に結びつくのか、有機的に想像して検討をすすめるということこそ、人間がもっとも価値を発揮できる仕事だとゴゴは考えます。

そしてこの「想像する」ということは、営業だろうが総務だろうが、どんな仕事にも必要とされるスキルであり、現状から一歩進んだ「t+1」の状況をどこまでリアルに想像できるかが、あらゆる仕事に共通して大切なスキルと言えます。

なので、配属された仕事や表面的なスキルに惑わされることなく、「こうしたら次になにが起きるか?」を徹底的に考える訓練を自ら課せば、ちゃんと成長すると思いますよ。


蛇足になりますが、論語に「以直報怨、以徳報徳」という言葉があります。もとの意味からは少し飛躍するかもしれせんが、ロジック(直)というのは、スジを外した言説(怨)には有効ですが、価値観(徳)の違いには、ロジックではなく、自らの価値感で対峙するほかないとの意味とも捉えられます。

とすると、相手との意見の違いをロジックによってではなく、どこに価値観の違いがあるのかと想像力を働かせて対処するのは、孔子も保証する(?)、正しいアプローチとも言えますね。