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ゴゴトモヒロがモノゴトの本質を考えるブログ

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政治・制度・法律

今日の安保占い♡(あるいは、なぜ安倍総理はそんなに急ぐのか?)

2015年7月15日、衆議院特別委員会で可決された安保法案ですが、強行採決だ戦争法案だとなかなかに物騒な感じですね。さてこの安保法案、知性を図るに持ってこいのネタなので、占い風に行ってみましょう!

1. 安保法制は必要ない。なぜなら戦争に巻き込まれるリスクが高くなるから。
2. 安保法制は必要と思うが、憲法9条に違反しているから反対。
3. 安保法制は必要。憲法違反の疑いはあるかもしれないが、今回実現すべき。
4. 安保法制は必要。憲法9条とかどうでもいい。

さて、あなたの意見はどれですか?
今日の安保占いスタート!


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百田発言に「一定の理」を感じる理由について~沖縄独立運動って知ってます?

百田尚樹氏が自民党若手との集まりで「沖縄2紙(琉球新報・沖縄タイムス)をつぶさないと」と発言した件をめぐって、いろいろと騒ぎになっておりますね。

まあさすがに、権力でもって言論の自由を侵さんととられるような文脈でのこの発言はさすがに支持はしかねるわけですが、琉球新報と沖縄タイムスはなくなった方がいいよな~という点は、心底理解できるところです。

「え、なんで?」とか、「あーゴゴも右翼か」などと思われるかもしれませんが、この話には色々と日本の安全保障に絡む背景がありまして、そのあたりここらで一度整理しておこうと思う次第です。

(ちなみに始めに申し上げておくと、百田氏については、「殉愛」をめぐるゴタゴタなど、個人的にはあまり好ましからざる人物とみておりまして、今回記事でもって氏を擁護しようなどという意図はまったくございません。) 

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安倍総理の米国議会演説の素晴らしさが逆にもたらす困難について

年明け以来の久々のゴゴログですが、ムダな前フリは省略して。。。

先月29日、安倍総理が米国両院議会で、国際的安全保障分野における自衛隊の役割強化、すなわち集団的自衛行動に向けた関連法制の実現についてコミットしたことは、こうした演説の内容としては素晴らしいことだったと思います。美辞麗句を並べるだけで、何の具体的コミットメントもない演説はほとんど価値がないし、相手からのリスペクトも得られないのだから、ああした踏み込んだ発言をすることは演説としては非常に有意義であるでしょう。

特に、中国がAIIBでアグレッシブな動きをし、そこに第一の盟友であるはずのイギリスがのっかることで心穏やかでないはずのアメリカに対して、ゆるぎないパートナーシップをアピールした今回の演説は、総理の英語がどうのこうの言う向きもあるようですけど、内容的にはよく練られた、時宜を得た素晴らしいものであったと評価できるものと思います。

(安倍総理の演説内容全文はこちらに。
いつか将来振り返った時に、日本の外交戦略について大きな方針をつけた歴史的演説と評されるものと思われます。必読。)


しかしながら、演説に実があって素晴らしかったが故に、同時になかなか大きな問題をはらむものではないかなあと感じました。

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「増税する前に公務員をリストラしろ!」なんて誤差のような話で社会人としての品性を疑われないための豆知識

昨日はハシゴ酒3件かましてたら、チャンポンし過ぎがマズかったのか、14時過ぎまで頭痛でベッドで死んでおりました。で、もろもろ作業がたまっておるのですが、大前研一氏のブログがNewsPicksで取り上げられてるの見てしまい、ついついゴゴログ作成です。

「国内株式市場・円相場・日本国債~2020年までの財政健全化のためには大増税が必要」

ええ、現下の相場観にしろ、大増税が必要ということにしろ、氏の意見に全く異論ございません。

しかしですね、こういう話になると、「まず国家公務員をリストラしろ、話はそれからだ。」的な意見がどこでも出てくるんですね。ほんとにNewsPicksで偉そうにトンチンカンなことを言う人におかれては、いつもネタ作りにご協力いただいてお世話になっております。


まず、国の予算は平成26年度において、歳出(支出)が約95兆円、これに対して税金等による歳入(収入)は約50兆円です。
(→参考:財務省HP 「国の収入と支出の内訳は?」 こちら、もはや絶滅したかと思われた音楽つきサイトでございまして、音楽オン/オフなんてボタンもついてますが、オフにしてもナレーションは消えないので悪しからず。。製作費をいくら払ったかしらんが、多分ボラれてるんだろうな。)

このうち、国家公務員の人件費というのは、いったいいくらくらいあるんでしょうか?

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雇用問題の基礎知識 ~非正規問題を解決するためには正社員のクビを切る、が正解です

本ブログ、あいかわらず概ね月1くらいの低空飛行ですが、久々の今回テーマは「非正規雇用」についてです。

特段タイムリーなネタでもないのになぜに今更?というハナシですが、発端は少し前にNewspicksで見かけたこの記事。
「非正規」という差別的な身分制を禁止し、同一労働同一賃金を実現すればよい[橘玲の日々刻々]

 この記事では、
 日本では働き方をフルタイムとパートタイムに分け、フルタイムの労働者を会社の正式なメンバーとしています。しかし考えてみれば、労働時間の多寡で身分を決めるのも同一労働同一賃金の原則に反します。パートやアルバイトであっても、正社員と同じ仕事をしていれば平等に扱われるべきです。 

 として、正社員と非正規社員の違いを「労働時間の違い」で捉えています。さらに、こうした「差別的な扱い」を解消するために、
非正規という身分を法で禁止し、すべての労働者を「正社員」にしてしまえばいいのです。
 と述べています。

少しでもわかっている人には、「・・・(なんじゃこれ?)」という感じだろうと思いますが、NP民の皆様におかれては、「なるほど!」「分かりやすい!」的な賞賛コメントの嵐でございました。(いったい、「意識高い層」の人々の知的水準は大丈夫なんだろうか。。。)

かくの如き悲惨な状況を見過ごすことはできん、というワケで、いまさら解説するまでのハナシでもないと思っておりましたが、衆議院議員総選挙を控える最中、「非正規問題」の基礎について今回扱うことにしました。
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「黒田バズーカー2」による異次元緩和を考えるにあたってのアタリマエの視点について

今回の記事を書くにあたって、まず最初にいっておきたいことがある。日銀よ、総裁記者会見録ぐらい即日アップしとけ!ソースとしてもっとも重要な情報なので、確認しようと日銀のページを漁ったら、公表予定は「11月4日(火)時刻未定」だって。。。歴史的ともいえる重大イベント、徹夜しても即日アップするのが普通の神経じゃないのかねえ。それを連休明けで時刻未定とは、まさにお役所仕事。。(ちなみにコレ書いてる今は11月3日です。)

というワケで、今回は2014年ハロウィンの日に浮かれる日本を襲った、サプライジングな追加量的緩和、いわゆる「黒田バズーカー2」についてでございます。

正直、今回の追加緩和が良いのか悪いのか、私には分かりません。まあ世界の経済学者レベルで見解が分かれるであろう金融政策について、法学部時代に楽勝単位を稼ぐためにしか経済学を修めてないゴゴがいいの悪いの言ったところで意味はないわけですが、世の中賛否両論うずまいているようで。

・黒田総裁は天才かつ秀才だが、間違っている
・小幡績氏は天才でも秀才でもないし、間違っている 

(上記引用はどうでもいいネット上でのから騒ぎを笑うためなので、真面目に読んでもらう必要はありませんww)


しかし、結局のところ賛というにせよ否というにせよ、何をもってそう主張しているのがイマイチ分かりにくいのは、 日本のマスコミの仕事っぷりからすると、一般的なニュースをいくら見てもおそらく同じでしょう。そこで何が分からないのかを明確にしましょう!というのが今回のゴゴログの目的です。


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少子化対策・「第三子以降に特化」は裏をかえせば正しい。(しかし若年層の貧困対策が一番の課題では?)

先日、こんなネット記事が出ておりました。

安倍首相が力を入れる第三子以降に特化した少子化対策は効果があるのか?

安倍首相は2014年7月19日、少子化対策において特に第三子以降に特化するやり方を積極的に検討すべきだとの考えを示した。第三子以降を重点化するやり方は、即効性が高いといわれているが、一方で経済的問題という大きな障壁も存在している。
さて、これを見て皆さんどう思われますか?

この方針のとおり、第三子以降に特化することでどこまで少子化対策に効果があるかは、ゴゴもよく分かりません。しかし裏を返せば、第二子までは経済的な政策支援の意義は低いともとれます。そして、これは正しい判断です。

少子化対策として、育児におカネがかかるから子ども手当など経済的支援を、みたいなハナシが良く出てきますが、個人的にはこれは効果の薄いバラマキ・愚策だと考えています。育児におカネがかかるという問題意識を持つのは、こどもを産んで育てて初めて実感できることであり、カネがあろうとなかろうと、カップルがいれば一定割合でデキちゃうものはデキちゃうワケです。


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憲法解釈変更による集団的自衛権の容認をどう見るべきか?

本日7月1日夕(2013年)、臨時閣議が開催され、憲法解釈の変更により政府として「集団的自衛権」を認めるとの方針転換を行いました。
集団的自衛権行使容認 閣議決定(NHK NewsWeb)

この判断を巡っては、護憲派などから批判的な声が大きく、また、新宿での焼身自殺未遂や官邸前でのデモなど、ややセンセーショナルな出来事となっています。

さて、今回の政府判断をあなたはどう評価しますか?この問題を考えるにあたっては、今回の判断が「憲法解釈変更によって行われた」という手続論の問題と、「集団的自衛権の容認」という内容論の問題、二つの側面があり、今回の判断に反対する人たちも、異なる観点で反対していたりします。


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「みなさん、選挙に行きましょう!」って、本当に意味あんの?というハナシ

それほど時事的でもないですが、選挙の話です。
近頃、選挙がある度に、「明るい選挙推進協会」(どれほどの存在意義があるんだろ、ここ?)の回し者でもなかろうに、SNS上に「みなさん、選挙に行きましょう!」的なメッセージがあふれるのにうんざりした経験ないでしょうか。

正直どうでもいい話なんですが、最近あまりにもネタがないところ、おときた駿さんの
どうして、選挙にいかなきゃいけないの?-よいこのみんしゅしゅぎ- 
というブログエントリーを見て、じゃ、埋め草程度にこのハナシでもするか、ってくらいの今回の話です。

上記のブログでは、現在西宮市長選に立候補されている今村氏がつくられたとの紙芝居を紹介しており、紙芝居の内容は、こどもにも分かりやすく選挙投票の意義を説明しているものなのですが、これを見たコメントとして、「分かりやすい」とか、「選挙の大切さがあらためて分かった」的な反応があったりするのを見ると、「は?」と感じてしまいます。

ま、こども向けには十分意義ある内容で、おときた氏にも今村氏にも別に噛みつきたいわけではないですが、大人がこれ見て「そうだ、選挙、行こう」的なメッセージを発しているのを見ると、そんなこといまさら感じ入る程度なら、オマエは選挙いかんでエエ、と少し毒を吐きたくなるわけです。


確かに選挙権というのは、絶対的な王権に対して議会が対抗するようになり、その議会議員を民主的に選べるようになったという歴史的経緯のなかでは、非常に大切に守るべきものです。(まっとうな大人であれば、子供向け紙芝居ではなく、過去の人々の多くの血の代償のもと権利を獲得した歴史に感じ入って欲しいところ。)

なので、選挙権そのものが制限されるような事態に対しては、頑として行動するべきだとは思いますが、個別の選挙において、大して興味関心もないのに、「選挙は大切」程度のホワっとしたキモチでロクに知りもしない候補に投票したところで、 何の意味があろうかというもの。それって単なる自己満足じゃないですかね。それを、大上段に「選挙に行きましょう!」なんて言われると、ウザいことこの上なし。

問題は、選挙の争点や候補者の主張に関心を持つことであって、ちゃんと考えたけど結果的に選ぶポイントもないから棄権して遊びにでかけるってのは、決して悪いことでもなく合理的な行動なんじゃないでしょうか。逆に言えば、有権者の関心を高めるような、選挙における争点や候補者自身のアピールを明確にできていないことや、そこにきっちり切り込めていない報道に問題があるのであって、そうした争点が明らかでないにも関わらず、「選挙に行かないのは意識低い」的なスタンスでモノ申されると非常に感じが悪いっす。

ま、棄権するにせよ白紙投票するにせよ、その場合には政治に文句を言う権利を投げた、という心構えで文句言わずいてくれればいいワケです。で、後悔することがあれば、次は選挙にいけばいい。どっちかっつーと、一時的なノリで山本太郎を当選させて鈴木寛を落とすなんてノイジーな投票は控えて頂く方が、世の中のためになるのではないかと思うところであります。以上。

投票率100%の国がいい国かどうかと考えれば、一概に投票率が低いからダメ、というわけでもないのは自明ですね。では。
 

「ドワンゴ就職受験料、厚労省が中止求め行政指導」は、バカではなく実はまっとうな対応でしたというハナシ

2月はどうもアンテナが立つネタがなく、ブログ更新サボりまくりだったのですが、久々にピピッとくる香ばしそうなネタが入ってきました。

ドワンゴ就職受験料、厚労省が中止求め行政指導(Yomiuri Online)
来春卒業予定の大学生らの採用を巡り、大手IT企業「ドワンゴ」(東京)が入社希望者から受験料を徴収する制度を導入した問題で、厚生労働省東京労働局が「新卒者の就職活動が制約される恐れがある」として、職業安定法に基づき、次の2016年春卒の採用から自主的に徴収をやめるよう行政指導をしていたことがわかった。」 

これ、皆さんどう思います?ツイッター上では「厚労省、バカじゃねーの?」的な反応がわりかし普通だったように思われますし、ゴゴも最初は同じくアホちゃうか?と思いました。「職安法?しかも行政指導?www」ってな感じです。

ちょいとウンチクになりますが、職業安定法とはどんな法律かというと、主に職業紹介に関して規制する法律です。法の最初に掲げられている目的を見てみると、
 
(法律の目的)
第一条  この法律は、(中略)、公共に奉仕する公共職業安定所その他の職業安定機関が関係行政庁又は関係団体の協力を得て職業紹介事業等を行うこと、職業安定機関以外の者の行う職業紹介事業等が労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整に果たすべき役割にかんがみその適正な運営を確保すること等により、(中略)、もつて職業の安定を図るとともに、経済及び社会の発展に寄与することを目的とする。

とされています。さらに、この法律は労働関連法の憲法ともいえる労働基準法の第6条、「何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。(中間搾取の禁止)」という規定を土台としてつくられています。つまり、不当にピンハネすんなよコラ、という法律です。

というワケで、職業紹介ではないドワンゴの取り組みに関して職安法で対応とは何事ぞ?しかも昭和でもないのにいまさら行政指導かよw、というのが最初の感想でした。


しかしですね、ここは念のためと法文を確認すると・・・

(報酬受領の禁止)
第三十九条  労働者の募集を行う者及び第三十六条第一項又は第三項の規定により労働者の募集に従事する者(以下「募集受託者」という。)は、募集に応じた労働者から、その募集に関し、いかなる名義でも、報酬を受けてはならない。

とばっちり規定されておるではないですか。。というワケで、厚労省の指導は当然のことでありました。法律で明確に禁止されているのですから仕方ないですね。

ここで、「そんなにばっちり違反してるんなら、指導なんてぬるいこと言ってる場合じゃないんじゃないの?」という疑問も当然あるかと思いますが、ここが今回の対応の妙で、ドワンゴの今回の取り組みというのは、大量かつ入社意思の薄い応募を課金によって制限しようという取組みなワケで、法がそもそも禁じている「中間搾取」を目的とした行為ではないことは明白です。

昨今の就職活動の在り方に様々な疑問が呈されている社会状況の中で、杓子定規に即座に法の適用を行うなんて無粋なことをするのではなく、行政指導というカタチで、「来年はうまいやり方考えてね~」とやんわりメッセージを送ったのは、むしろ法文の規定と現実問題の間でバランスをとった巧手であるといえましょう。

ちゃんと法律を理解しておくことは重要ですね。ちなみに、職安法第39条に違反したときの罰則は、「六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金」でございました。

(法律見る時は、罰則を見ることが肝心ですよ!というワケで、こちらの記事もどうぞ→「法律を読み解いてみよう!話題の特定秘密保護法案を題材に、超シンプルな法律の読み解き方を教えます。」

ということで、たぶん日本一シャープに論点整理してみました。原発再稼働に反対ですか?賛成ですか?

前回、脱原発かどうかではなくて、再稼働に反対なのか、それとも賛成・容認なのかが本当の争点だと書きました。

で、賛成・反対どちらをとるか、その理由はなぜかを考えてみてください、としていましたが、皆さんいかがでしょうか。

この問題をきちんと考えるためには、原発が停止状態にあることと稼働状態にあることの「差異」を理解していないといけません。メリデメとかプロコンとかってやつです。

まず前提として、普通に止まっている原発だろうと、いますでに溜まっている放射性廃棄物や原子炉の完全処分は、「脱原発」と叫んだところですぐには実現できないことなので、再稼働しようとしまいと、原発はこの先何十年も存在し続ける、ということは押さえておくべき事実です。

さてでは、再稼働したときと止めているとき、そのメリットデメリットは何でしょうか?

再稼働のメリット
まず、再稼働した場合のメリットは、輸入燃料費を下げられることです。最近、経常収支赤字のニュースなどでかなり認識されるようになってきましたが、原子力発電の代わりに火力発電に頼っていることで、燃料輸に年間で約4兆円も余分にかかるようになっています。これは、今回の消費増税による税収増に匹敵します。このおカネを節約できれば、被災者への賠償や電気料金の引き下げなどに充てることができます。

(関連ソース)
原発停止で13年度の燃料費3.6兆円増
消費税8%、税収増は4兆円強


原発停止のメリット
では、原発を停止しておくことのメリットは何でしょうか?

ザックリいえば、再稼働しないことのメリットは「安全」ということでしょう。しかし、動いている原発と止まっている原発の安全性の違いってどれほどなんでしょうか?

実のところ、判断できるだけの情報があまりないのですが、考えるべき3つの論点を以下あげます。

メルトダウンまでの余裕
まず、動いている状態から、被災等で制御不可能になると、すでに炉内水温は沸点を越しているので、数時間程度で冷却水が蒸発し、メルトダウンが始まるらしいです。一方、冷温停止状態であれば、冷却水が沸点に達するまで数日間は余裕があるらしい。。

しかし、ここで「らしい」とばかり言っているように、あまり確たるソースが出てきません。ゴゴの調べ方が悪いのかもしれませんが、個人のブログやはてななどのQAでやっとこうした「違い」について書かれたものを見る程度です。

(関連ソース)
原発は稼働中より停止した方が安全ですか

とはいえ、確かに、稼働状態と停止状態、それぞれで全電源喪失した場合の対応余裕度にそれなりの差があることは、理屈からして間違いなさそうです。

全電源喪失に対する対応策
そうすると、次にこうした制御不能になる可能性というのは、どれほどのものなのでしょうか?

福島の場合、「全電源喪失」という状態になり、そこからのリカバリーがうまくいかなかったことが事故の直接要因なのですが、そうした全電源喪失という事態や、そこへの対応策というものが、福島の事故をうけてどこまで進んでいるのかが良く分かりません。

ちなみに、「全電源喪失の場合も対策万全なのでもう福島のようなことは起こらない」と強く言ってしまうと、「じゃあやっぱり福島は完全に人災だよな」と、政府・東電の過失責任が改めて浮き彫りになってしまうので、この問題がイマイチはっきりしないのはそれを避けるためじゃないの?とゴゴは少し政府側の姿勢を疑っております。

ここは、福島の事故の原因と合わせ、隠すことなくはっきりさせるべき問題だと思います。

(関連ソース)
全電源喪失「津波が主因」、規制委報告
原発の全電源喪失、米は30年前に想定
全電源喪失を回避せよ 世界の原発、福島事故で動く

使用前燃料と使用済燃料の違い
もうひとつ分からないことがあります。それは、核燃料が使用前と使用後でどれほど扱いにくさが異なるか、ということです。

核燃料廃棄物の最終処理の難しさが再稼働反対の大きな論点になっているのですが、では、再稼働しないとしたときに、現在残っている核燃料はどうなるんでしょう?これは廃棄や処分がラクなんでしょうか?

まあ、原発を動かし続ければ処分しないといけない核物質の総量は増えるので、少なければマシという気もしますが、現在ある核燃料・廃棄物の処分が出来ないなら、程度差という気もします。この差異については全く見つけられませんでした。

まとめ
というわけで、再稼働をめぐるメリデメをならべると、
・再稼働すると、年4兆円(消費税3%分、あるいは1日100億円)の燃料費を削減できる。

これに対し、

・再稼働するよりは、停止状態にしておいた方が安全そう。しかし、リスクの違いがどれほどかはよく分からない。
・再稼働しないほうが核燃料・廃棄物の処分がどれくらいラクになるのかは不明。


ゴゴのこれまでの考えは、動いていようと止まっていようと原発は存在するのだから、結局はリスクは同じ、なら動かしておいた方がトク、というものでした。

しかし、こうして掘り下げてみると、リスク差についてはよく見えない中ではあるものの現に福島で事故は起こっており、とはいえ一方でいまは1日100億円も海外に垂れ流しているという状態も看過できるものではなく、判断が非常に難しい、というのがゴゴの現在の認識です。

(で、判断つかない中ですが、とりあえずは再稼働賛成派です。でももし、福島のような事故が千年に一度は起こりるかもしれませんと言われると、反対するかなあ。とはいえ100年安心レベルでも400兆円か。。)

このように考えると、脱原発を争点にあらそうなら、停止状態と稼働状態のリスク差や、全電源喪失に対する対応策の現状をキチンと開いた上で議論すべきだと思います。いまのままではまっとうな判断ができません。

だいたい原発問題は、あまりにもイデオロギー論が多すぎです。そりゃ確かに、安全考えれば原発はない方がいい。しかし、反対が通ったからといって問題がすぐに消えてなくなるわけではありませんよね。すでに原発も核廃棄物も存在し、その処分は賛成反対いずれにしろ考えないといけない、そして、そのためには莫大なおカネも必要なワケです。

なので、イデオロギーでの原発賛成/反対ではなく、すでに原発が存在していることを前提に、再稼働することとしないことについての「現時点からの差分」をリアリスティックに議論しないと、何の解決にもならないとゴゴは考えてます。

東京都知事選の争点が脱原発などというのは荒唐無稽な状況であり(前回言いましたが、そもそも「脱原発」なんて争点にもなりません)、その中でさらに低レベルな議論に振り回されないよう、政府としては一層の説明責任を、マスコミにはもう一歩突っ込んだ報道姿勢をお願いしたいところです。


ちなみに、もう締め切られてしまったようですが、日経ビジネスオンラインのこのアンケートは、なかなか良い切り口だったと思います。欲をいえば、もう少し上記論点に対して材料を示してほしかったですが。結果に注目しています。

脱原発かどうかより、再稼働に反対かどうかが問題ちゃうの?争点化するなちゃんとやれよボケ!という話

東京都知事選、脱原発が争点だとか意味不明な展開になってきてますね。

何で都知事選で原発が争点になるねん?とつい関西弁で突っ込んでしまうわけ分からん状況ですが、脱原発を争点にしてくれた小泉さんは素晴らしいとか、脱原発こそ都知事選のテーマにふさわしいとか、何でもかんでも日本が悪いと叫び続ける某国を笑えないくらいの無節操ぶりに、もはやお笑いを見る気分で楽しもうと思っております。

というわけで、都知事選で脱原発を問うことには当然ながら全く意味を感じないゴゴですが、盛り上がっているテーマなので、脱原発という争点をちょいと考えてみましょう。

まず、「脱原発」が何を目標としているかという定義を考えてみましょう。これは、「原子力エネルギーに頼らない電力供給構造を実現すること」ということでいいですかね。この前提で、現存する原発の完全廃炉を目指している、という認識で間違っていないと思います。

しかし、脱原発といっても、原発再稼働反対という急進派と、数十年後の将来まで見すえて、エネルギー技術の進展にあわせてという現実派まで、そのスタンスには結構な幅があります。こうした幅を飲み込めば、「できるなら脱原発」という人が大多数じゃないですかね?福島の手のつけられない惨状を考えれば、それは自然なキモチだと思います。

つまり、脱原発というのは、ほぼ「キモチ」なんですよ。皆んなできればそうありたいよね、レベルの。しかし、フワッとしたキモチなんか争点なんかになりようはないわけで、本当の争点は、「再稼働に反対か、容認か」、これですよ。

こんな初歩的な論理的整理もせず、「脱原発が争点」ってことを、マスコミやら偉い人達が平気で語ってるのを見ると、「ボケか、もう日本に大学なんかいらんわ!」と言いたくなってくるくらいです。(それなりの大学に行ってた人達がこれじゃあね。。これだから文系はバカにされるワケですよ。)

さて、ゴゴログを愛読する理屈っぽいみなさんは、これからもし脱原発をテーマに議論する機会あれば(あまりないよなあ)、「それで再稼働に賛成か、反対か、どうやねん?」とキッチリ詰めていただければ幸いです。

で、再稼働を争点にしたところで、何の材料をもって賛成か反対か、というところからがホントは本題なんですが、前置きがながくなったので、次回に続きます。

あなたは原発再稼働に賛成ですか?反対ですか?、それはなぜかとともに、ぜひ次回までに考えておいてみてください。

結構シビアな問題で、ゴゴは以前は単純に賛成派でしたが、最近悩んでおります。。

安倍総理の靖国神社参拝の件、単なる感情論以外で実際のところどんな問題があると思いますか?~問題の本質を見極めよう~

一連の「主観論」の途中ですが、「安倍総理の靖国神社参拝は今後どのような影響を及ぼすか?」というテーマを某所で知人からいただき、少々考えるところがあったので、今回は話題の「靖国参拝問題」の本質を考えます。

まずは、いつも斜め上で「いいネタ」を提供してくれる朝日新聞から。

中韓メディア「感情踏みにじる」 靖国参拝、米紙も懸念


いつもの感じですね。感情踏みにじるというならば、竹島を不法占領してたり、尖閣は俺のものとか色々勝手されてる日本人の感情はどうなんでしょうね?靖国神社の位置づけがまあいろいろ議論あるのは分かりますが、総理を務める一個人が神社にいったことで感情を踏みにじられたから問題だと。。なるほど。日本の中にも同じようなことを言って勝手に傷ついたり騒いだりしている、ちょっとよく理解できないヒマな人達もたくさんいるでしょうし、感情論を言い始めたらキリがありません。ま、どうでもいい話です。

さて次。ヤフーニュースですが、もとはAFP時事の配信記事です。

安倍首相の靖国参拝、米国は「心から失望」 分析


今回の件、確かにアメリカ政府が、「失望」という強いメッセージを出したことについては気になります。どのような問題意識をもってのことのことなんでしょう?

上記記事中、下記のような見方が紹介されていました。
***
「防衛分野での日米協力など米国が進めようとしている計画を前進させようとしている中で行った今回の参拝を取り巻く状況は、小泉氏の時とは異なるとグリーン氏は指摘する。

『中国は、日米同盟関係強化に向けたあらゆる動きを妨害するだろう。しかし、日本が一連の変革を進める中、米国としては韓国にはこちら側についてもらう必要がある」
***
 
なるほど、この見方であればアメリカ政府が問題視することは理解できます。日本から見てると中韓は同じように見えますが、アメリカから見ると極東地域防衛の観点で、中韓はステークホルダーだとして別だという視点は面白いですし、重要ですね。(確かに、話題の「テキサス親父」もSpa!のインタビューで、日米韓は結束を強めなければいけない、と言ってます。)

地域防衛連携の観点で考えれば、南スーダンで韓国軍に弾薬援助したのは、イマイチな朴政権に対する韓国世論のゆさぶりという面も含めてなかなかいい動きだったと思いますが、靖国参拝問題がきっかけか、韓国軍側から弾薬を返すと態度を硬化させてしまったのは、まったく勿体ないハナシです。その意味では、今回の靖国参拝は「問題」ですね。

しかし、上記はあくまでも一つの見方ですから、実際のところ、アメリカ政府は何を問題視しているんでしょうね?政府でもマスコミでもいいですが、きちんとコミュニケーションして、本質をきちんと把握してほしいところです。


というわけで、ゴゴ的にはフワッとしたよくわからない感情論みたいな趣旨での靖国参拝批判には何の意味があるのかと全く興味ありませんし、中国・韓国との関係性が悪いのは元からのところもあるのでイマサラと言う感じですが、アメリカをはじめとする第三国が、今回の件の実際的な「問題」を何だと考えているか、その核心はしっかり掴んでおくべきだと思います。

(補足)
靖国や慰安婦問題など、欧米からみて日本が右傾化しているようにみられてイメージ的に損をするといった趣旨の話については、それはイメージの問題ですから、きちんと対外広報戦略をすすめていくほかありませんね。

その際、靖国神社については、行かないようにするのではなく、むしろタイミングを見ながら淡々と参拝を続けることで慣れさせてしまう(off issue化する)がいいと思いますけどね。 戦没者を悼んで参拝すること自体がなんでこんなに大問題になるのか、そうした異常な事態自体が、一つの「問題」だと思います。アホくさ。

法律を読み解いてみよう!話題の特定秘密保護法案を題材に、超シンプルな法律の読み解き方を教えます。

話題の特定秘密保護法、「知る権利」をはじめとした基本的人権が侵害される!みたいなハナシもありますが、さて皆さんどうお考えでしょう?ちゃんと確認するには法案を読めばいいのですが、なんとなくカベが高そうで、法案をわざわざ確認しようとする人は、かなり少ないんじゃないでしょうか?

というわけで、超シンプルな法律一般の読み解き方をお教えします。では、さっそく特定秘密保護法をサンプルに、法文全文を見てみましょう。特定秘密保護法案は全27条の、法律としては割とシンプル条文です。

特定秘密保護法の全文(朝日新聞デジタル)
 ※特定秘密保護法に対する反対の大論陣を張っていた朝日新聞社がソースなので、反対論者も安心ですね!

おっと、開いていきなりアタマから読みこなそうとしてはいけません!
まず、法律というのは、最初に総則があって、「法律の目的」と、「この法律文章で使われるコトバの定義」が示されています。 ここはここで大切なのですが、ゴゴ流のおススメは、最後の方に記載されている「罰則」をまず確認することです。(法律によっては、罰則がないものもあります。いわゆるひとつのザル法です。)

特定秘密保護法の罰則は、第七章・第23条~27条の4条だけです。抜粋してみます。

第二十三条 特定秘密の取扱いの業務に従事する者がその業務により知得した特定秘密を漏らしたときは、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する。特定秘密の取扱いの業務に従事しなくなった後においても、同様とする。

2 第四条第五項、第九条、第十条又は第十八条第四項後段の規定により提供された特定秘密について、当該提供の目的である業務により当該特定秘密を知得した者がこれを漏らしたときは、五年以下の懲役に処し、又は情状により五年以下の懲役及び五百万円以下の罰金に処する。第十条第一項第一号ロに規定する場合において提示された特定秘密について、当該特定秘密の提示を受けた者がこれを漏らしたときも、同様とする。

(3~5 省略)

第二十四条 外国の利益若しくは自己の不正の利益を図り、又は我が国の安全若しくは国民の生命若しくは身体を害すべき用途に供する目的で、人を欺き、人に暴行を加え、若しくは人を脅迫する行為により、又は財物の窃取若しくは損壊、施設への侵入、有線電気通信の傍受、
行為(不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成十一年法律第百二十八号)第二条第四項に規定する不正アクセス行為をいう。)その他の特定秘密を保有する者の管理を害する行為により、特定秘密を取得した者は、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する。

(2・3略)

第二十五条 第二十三条第一項又は前条第一項に規定する行為の遂行を共謀し、教唆し、又は煽動した者は、五年以下の懲役に処する。

2 第二十三条第二項に規定する行為の遂行を共謀し、教唆し、又は煽動した者は、三年以下の懲役に処する。

第二十六条 第二十三条第三項若しくは第二十四条第二項の罪を犯した者又は前条の罪を犯した者のうち第二十三条第一項若しくは第二項若しくは第二十四条第一項に規定する行為の遂行を共謀したものが自首したときは、その刑を軽減し、又は免除する。

第二十七条 第二十三条の罪は、日本国外において同条の罪を犯した者にも適用する。

さて、いかがでしょう?法文としてのコトバの固さはどうしても残りますが、罰則の対象は、
・特定業務の取扱業務に従事する者(23条)
・法文上の一定の規定により業務上、特定秘密を提供された者(23条)
・外国のスパイ(24条)
・その他、上記の共犯者・教唆者(25条)
だけです。(26条は自首した場合の刑の軽減、27条は国外にいて違反する者への適用についてです。)

更に、罰則の手前の雑則においては、

第二十二条 この法律の適用に当たっては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならず、国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分に配慮しなければならない。

2 出版又は報道の業務に従事する者の取材行為については、専ら公益を図る目的を有し、かつ、法令違反又は著しく不当な方法によるものと認められない限りは、これを正当な業務による行為とするものとする。

とまで念入りに書いてくれています。

さあ、これだけ見れば、もういいですよね?特定秘密法案について、いろいろと「文化人」が言っていることが、いかに荒唐無稽で法律の中身をよく理解しないまま叫んでいるものかがお分かりになるかと思います。

(しかも、仮に現時点で予想しえなかった憲法に違反するような法律運用があれば、この法律を「違憲無効」として争うこともできるので、こんな法律ごときで国民の基本的人権が回復不可能なほどに侵害されることはありません。それこそ、彼らも大切だと叫ぶ日本国憲法の有効性を、自ら疑っているようなものです。ちなみに、自分が活動家の立場なら、「秘密保護法案が底抜けに悪用されることのないよう、憲法改正にはより慎重になるべき」という、次の一手を打ちますケド。笑)


というわけで、法律がどんな影響を及ぼしうるのかを知りたければ、まずはさくっと「罰則」の章を見れば結構わかるものです。そこから、細かい定義やら「第○○条で規定する~」なんてのが、いったい何なのかが気になるのであれば、条文の並びを気にせずに、関係部分を拾い読みすればいいのです。全文を読み通さなくても、大体どんな法律で、どんな影響を及ぼし得るかをつかむことができます。

さあこれで、「ほにゃらら法は国の陰謀だ!」みたいな世迷い事に惑わされることはありません。ぜひ、気になる法律があれば、サクサク「罰則」を確認してみてください!


P.S.
法律の途中には、行政機関が行うべき手続の話など、「中の人」にしか関係ないところも結構あるので、普通はそんなところを知る必要はありません。「何をすれば罰せられるのか?してはいけないのか?」ということだけ理解すれば、ある意味十分と言えます。

ちなみに、細かく定義などを追っていく方には、「『政令で定めるところにより~』とか書いてて詳細が良くわからん!」という疑問が出てくるかもしれません。法令というのは実は、法律>政令>省令>規定等といった重層構造で出来上がっているためなのですが、その話はまたいずれ。

「タクシーの減車義務化」は妥当な政策か

「タクシー減車義務化へ」「規制緩和、抜本見直し」つい先日、タクシー台数を地域毎に管理し、台数制限を義務付ける法案がこの秋の臨時国会に提出される、とのニュースが流れました。これは、問題と打ち手がズレてるんじゃないの?ってのが今回のテーマです。

2002年の規制緩和で、タクシー台数の増減が届け出のみで自由に行えるようになったことから、以後タクシー台数が増加する一方、マーケット全体は経済低迷の中で縮小し、それに伴ってタクシー運転手の平均年収も、かつての300万円台から、いまでは250万円程度に下がっており、収入確保のために無理な長時間勤務をすことによる事故も増えている、ということが問題背景にあるということです。

しかし、何か変だと思いませんか?そんなに儲からないのに、タクシーの台数はどんどん増えている?なぜそうなるのでしょうか?

経済学に、「限界利益」という概念がありますが、例えばタクシー会社がもう一台車両を増やした時に、追加的にいくら儲かるか?が限界利益です。利益率にこだわらず、利益の絶対額を最大化するならば、限界利益が0、つまりこれ以上タクシー台数を増やしても儲からないところまで増車すればいい、ということです。つまり、タクシー会社はそれなりに儲けているのだろう、ということです。

利益を引き上げるレバーは限界利益だけではないので、マーケット全体も縮小する中、タクシー会社が増車でバンバン儲けている、ということは実際ないでしょうが、それでもタクシー運転手の苦境が伝えられる一方で、大手のタクシー会社が潰れそう、という話は聞いたことがありません。

ということは、タクシー業界においては、マーケットが苦しくなってくると、会社より先に運転手の方がシンドくなる構造にあるということです。多くの人が想像ついてると思いますが、タクシー運転手の収入は、固定分+運賃収入に応じた歩合分になっており、つまるところ、この固定分が低すぎることが、タクシー運転手の低収入の原因なワケです。

だったら、この固定部分を引き上げるような賃金規制を引けばいいんじゃないの?というのが、ゴゴログ的なインサイトです。

タクシー1台あたりの限界利益は、ざっくり言えば
(運賃収入−車両費・運行費−固定人件費)×(1−歩合率)
となりますが、固定人件費が高くなれば、現状では限界利益がギリギリプラスのタクシーは、マイナスに転じます。そうすると、運賃収入をあげるための努力をする(例えば、空車率を下げるためのIT投資をする)か、車両費や運行費を下げるコスト改善を考えるか、あるいは競争力のないタクシー会社は自主的に減車するかをしながら、新たな均衡点に向かうはずです。

こうした経営努力の中で、スマホで予約したらすぐ来てくれるサービスがうまれたり、コスト競争力で安い運賃を実現したりというサービス改善がうまれるワケです。それを求める前に、地域カルテル的な減車をさせるってのは、タクシー運転手を守るという大義名分のもとに、結局は努力しないタクシー会社を守るだけじゃないの?と感じてしまいます。

ちなみに、「規制緩和の失敗」のようなことがよく言われますが、参入規制の緩和と、安全規制の見直しをバランス良くしなかったことが問題であって、規制を元に戻すだけでは、何の社会的進歩もありません。それこそ、行政にも「経営努力」を求めたいところです。

プロフィール
むかし経産省、その後リクルート、40過ぎで特にあてもなく会社辞めて今は半分主夫・子育てしながら色々会社手伝ったりで今のところプラプラしてるおっさん。 面白い案件なら経営一般・組織人事系or政策関係のコンサルやらベンチャーの管理部門系のお手伝いできるかもです。ご相談ある方は下記アドレスにお願いします。 gogot(at)io.ocn.ne.jp
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