前回記事、児童虐待防止のためのシステム整備にええ加減カネつけませんか?を書いてtwiterなどでシェアをお願いしたところ、予想以上の反響をいただきました。(シェアいただいた方、ありがとうございます。)

もともとは一時的な感情論に終わらず何らかの改善に向けた議論が続くようにとの思いだけで、シェアしてもらってその後どうするかってことも特に考えていなかったのですが、普段は2桁/日アクセス程度のマイナーブログに3日で4万UUも来てもらったので、もう少し具体的な提案につながるように深堀せねば!と思い深まり続編です。


前回、以下のようにさらっとアイディアを書いていました。

"しかしですよと、世の中AIだとなんだと言ってる時代、出生届がでたら全国共通のDBに登録されて、定期健診や予防接種などのあるべき通過ポイントに出てこないと自動的にアラームが上がるとか、要ケア児童はマーキングして地域を跨いでもトラックできるとか、リスク判断は共通化されて要対応レベルはそのまま引き継がれるとか、その程度のDBとサポートシステムくらい簡単に作れるんと違いますのん?

で、新生児にはマイナンバーカードをはなから送りつけて、母子手帳アプリと連携するようにしつつ通過ポイントのトラックキーにすれば、マイナンバーカードの普及促進にもつながりますがな。" 


実際にシステムを作って使えるようにするためには、ざっと考えて以下の5つの論点についてある程度詰める必要があるかなと。
  1. 法律
  2. サービスデザイン
  3. システム設計
  4. 運用
  5. 予算・コスト

1. 法律
まず法律ですが、地域をまたいで個人情報の共有や受け渡しをする必要があるので、行政機関個人情報保護法や、マイナンバーを軸にする場合にはマイナンバー法で個人情報やマイナンバーの利用について認められるようにする必要がありますが、ざっとみたところ現状では児童虐待の防止に関する事務については手当されていないようです。

ただそれは、できない・してはならないという積極的な理由ではなく、児童相談所他の関係機関においてそのような事務のあり方やシステムが存在していから規定されてないだけと推測されるので、具体的な構想とセットであれば、法律改正自体は技術的観点から
(=どの法律条文をどう変えるか)はそう難しいものではないと思われます。


2. サービスデザイン
サービスデザインというと少し大げさかもしれませんが、システム設計の前提として、それがどう使われるかの企画設計が必要です。前回記事のアイディアでは、定期健診と予防接種を通過ポイントとして想定してますが、その他の通過ポイントの特定や、システムでカバーする領域(例えば医療機関での診療履歴までチェックできるよう含めるかなど)、また母子健康手帳アプリ等との連携による保護者側の利便性向上も検討する必要があります。

個人的にはこの児童福祉分野の現場知見はほとんどないので、実務が分かっている方の知見をお借りしたいところです。ある程度のサービスデザインができれば関係省庁や関心をもってくれそうな国会議員への提案が可能になります。


3. システム設計
サービスデザインをシステム的に実現するための設計です。行政機関においては言うまでもなく様々な個人情報が取り扱われ、そこに対応した既存システムがありますので、それらのシステムと技術的にどう情報連携がとれるのかを考える必要があります。

こちらも、そもそも各自治体等でどのようなシステムがあり、どのような個人情報が取り扱われているかについて知見がありません。いくらサービスデザインができても、技術的に難しい場合にはアイディアを修正して実現性を高める方がより提案として望ましいので、地方自治体等のシステムに詳しい方のサポートが欲しいところです。


4. 運用
システムができても、現場実務の中で使えなければ意味がありません。官僚時代も人事企画の仕事をやっているときもよく見ますが、一見制度は立派なものの、現場でどう回るか使われるかの運用面の想定がなされておらず、有名無実化しているものをよく見ます。

通過ポイントに現れないアラート対象はどのような条件で抽出するか、発出されたアラートはだれが受け取ってどう処理するか、担当や地域間の引き継ぎはどう行われるか(複雑すぎても処理できない)、等々。マニュアルまでの細かさは無理でも、システムを利用する担当者の動き方を想定しておく必要があるので、ここは児童相談所の細かい実務を分かっている経験者のアドバイスが必須です。


5.予算・コスト
言わずもがな、なんぼかかるのってことです。ここは気合いれて詰める必要はないですが、開発費はざっくり数億円単位なのか100億円単位くらいはヨミを作れればなと。あとシステムランニングコストも。この辺は完全にITベンダーの方の領域ですね。


とまあ、アイディアは簡単そうでも、実現するとなるとそれなりに考えるべきことが結構ありますね。とりあえずラフな論点整理はしたので、あとは厚労省さんが俺たち考えるよ!となればラクなのですが、彼らも様々な政策議論で多忙ですしょうし、役所で議論するとなると時間かかるしサービスデザインや運用想定が・・・()ってケースもままあるので、できるならできる範囲で自分たちで提案練られないかなと思っております。

タイミング的には、8月の概算要求を一つのマイルストンに、サービスデザインレベルだけでもしかるべきところに提案をつっこんで、秋の審議会シーズンで関係法律改正の議論をしてもらえれば、来年の通常国会を経て来年度には入札&システム開発、再来年度(2020年度)からシステム運用開始が可能、って感じかなあと。時間がかかるように思うかもしれませんが、これでも多分最速スケジュールだと思います。(法律改正部分は議員立法でさくっとやるという手もあるっちゃあります。)


どうでしょう?少しはリアリティが増したでしょうか?書いたとおり自分だけでは知見が足りないところが盛だくさんですが、厚労省・総務省の現役の方を含め、一緒に検討しよう・連携しようという方がいらっしゃれば、ブログプロフィール欄のメアドか、twitter(ID:gogotomo)のDMでご連絡ください。

自分でもどこまで足をつっこむのかまったく考えが定まっていませんが、流れがあるならいけるところまで行ってみるか、って感じです。議論の場の確保や役所側との調整などは何とかできると思いますので、スピーディーにいい案が作れれば実現可能性はある、と思います。

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