今日も続けて少子化にからんでの話しです。(昨日の真面目分析系と違ってぶっちゃけ系なので今日は文体も毒入りモードでお届けします。)

昨日の出生率上昇の記事は実は前フリみたいなもんで、今回の話の方が個人的には最近ずっと考えていることなんですが、まさにタイトル通り、「少子化対策」を名目に税金やら投入しようとか言うの、もうやめたらどう?ということです。

少子化というと、まさに昨日の記事などのように「xx年後には日本の人口は~万人まで激減!」みたいな危機感がうたわれ、だから少子化対策が重要、そんで子供をもっと産んでもらいたいなら保育所増やせ、こども手当だか保険だか経済支援も手厚くしろ、まあ大体こんな話になるわけです。 

でもね、今後数十年くらいの近い未来とそこに生きる自分の子ども世代のことを考えると、「子どもを増やそう!」というのは当面あきらめて、もっと別なこと、例えば教育関連に政策リソースをフォーカスするべきちゃいまっか?と強く思うわけです。

そもそも「少子化対策」なんてムダだし。。(ボソッ)

まず、少子化対策の目的としては人口減少対策ということがあげられると思いますけど、これは完全に手遅れなんですよ。知ってる人には当たり前の話しではありますが、産む人(=女性)の数自体がすでに減り続けているので、ちょっとやそっと出生率が回復したところで人口減少は止まらんわけです。何をどうしようが将来のどこかで日本人人口は確実に1億人を切ります。

出生数は、「子供を産む母親の数」と「出生率」によって決まる。事実、ここ数年出生率は回復したのだが、出生数は2004年の111万人から2013年の103万人へと減少している。これは「子供を産む母親の数」が減ってきたからだ。

 この点こそが、日本の人口を考える上での大問題なのである。女性の出産可能年齢人口(15~49歳)は、2010年時点で2720万人だったが、2030年には2054万人、2050年には1567万人へと減り続ける見込みである(国立社会保障・人口問題研究所、出生・死亡とも中位、以下同じ)。すると、仮に今後ある程度出生率が回復したとしても、出生数は減り続けることになる。  
出生数を増やす好機を逃した日本」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20140606/266351/?P=2


第2に、いま「少子化対策」として叫ばれている認可保育園の整備拡大やら子ども手当・保険などの施策は、出生率向上という目的に対しては効果が非常に疑わしい、あるいは政策のスジ論としてイマイチなんすよね。特に保育園については足りない足りないと叫ばれながらも、「保育園が足りないという認識」とは関係なく、ここ数年出生率は上がっとったわけです。

数としては保育園増えてますけど、別に実数推移やら待機児童数みて子どもを産むかどうか決めてる人なんておらんでしょ。大体ほとんどの人は子どもがデキた後に保育所問題に直面するわけで、認可保育園の充実と出生率にはほとんど因果/相関関係ないと思います。
(ちなみに「保育園 出生率 相関」でググってみましたが、信用に足る分析で有意性が認められるとするものはやはりありませんでした。)

出生率どうのではなく、仕事と育児の両立という個々人の生活環境改善の観点から保育サービスの充実を図ることは重要だとは思いますよ。ただ、それにしたって認可保育園である必要はないと思いますし、以前書いたとおり、もっと制度全体をマーケットメカニズムに寄せて個人の負担割合も上げれば解決する話でしょと。そしてなんかのオマケ程度の額の子ども手当なんて(以下略)。
 
第3に、まあこれは空想的な話ではありますけど、万が一出生率を劇的に上げることに成功しこどもの数が増やせたとして、それはそれで現役稼得世代の負担を増やすだけなんですよね。子どもは生まれてから20年くらいは稼ぐことなくむしろカネかかるだけなんだから。

そんなわけで、いま焦って「少子化対策」(として叫ばれている施策)にカネをつっこんでも特にエエことはないわけです。


さてここからが今回記事のサビ。先ほど「現役稼得世代の負担」と書きましたけど、これがまさに将来の日本というか、自分の子供たちのために真剣に考えるべきことで、内においては増え続ける高齢者と社会負担、外においてはGoogleやAmazonやらといった海外IT事業者などの成長で日本の付加価値競争力が低下していくリスクと戦いながらもなんとか元気に生き延びてほしいというのが親としての一番の願いでしょう。少なくとも自分はそうです。2050年に人口が1億人切ろうががそんなことはどうでもいいんですよ。子どもたちが自分と同じ年齢になったころに幸せに生きていられれば。
 
そう考えると、子ども世代がどんどん変化する世界の中でも稼げる能力を身に着けてもらうのが一番大切なわけで、日本の将来をリアルに真面目に考えると、もはや「少子化対策」という名目でのバラマキなんかやめて、少なくなってしまった子どもたちを逆に精鋭に鍛えるべく、教育にこそガンガン投資してしてほしいんですわ。
 
具体的に稼得能力をあげられる教育とは何か?というところは、それはそれで難しい課題ではありますけど、少なくともこれからAIがどんどん発達し利用される将来を考えれば、AIをうまく使いこなせるためのスキルは育てることは具体策の一つとして必須でしょうな。英語教育も必要かな?最悪ジジイになった自分たちを捨てて海外に逃げても幸せに生きてくれるならいいっす。

またカリキュラム面の検討以外にも、高校教育の完全無償化(あるいは実質義務化)とかもあると思いますし、とにかく教育にはカネに糸目をつけないくらいの覚悟で政策リソースをぶち込みにいくのが、高齢者向けの介護医療対策とならべて柱に据えるべき政策方針じゃないのと心底思っている次第です。

「日本死ね」とか言われんでも、このまま行ったらマジ日本死にまっせ?


 というわけで「少子化対策」として使ってるカネは教育政策にぶち込んでくだせえ、というのが本日のお話でした。



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