文部科学省が組織的に天下りをあっせんしていたことで、官僚トップである事務次官が辞任し、全省庁に調査が指示される事態になっています。

前回記事(「まっとうなベンチャーのための正しいグレーゾーンの挑み方」)でもお知らせしたとおり、政策j人材とビジネスを結びつけるサービスRevolve(https://www.revolvejp.com/)を立ち上げたところでもあり、あらためて国家公務員の再就職規制について確認したわけですが、これはこれで制度的に問題あると思いまいました。
国家公務員法に規定する再就職等規制は、
1 他の職員・元職員の再就職依頼・情報提供等規制
2 現職職員による利害関係企業等への求職活動規制
3 再就職者(元職員)による元の職場への働きかけ規制
の3つの規制があります。

上記の通り、国家公務員が外部に転職する際の規制は大きく3つあるのですが、特に問題が大きいと思うのは、3の「働きかけ規制」です。


働きかけ規制の内容については、元職員が離職後2年以内において、離職前5年間に在職した局の職員に対して「働きかけ」を行ってはならないという規制で、「働きかけ」の詳細については内閣官房のHPで公開されている「国家公務員が知っておかなければならない再就職に関する規制」によると、
・「契約等事務」とは、①再就職者が地位に就いている営利企業等やその子法人と国等との間で締結される売買、貸借、請負、その他の契約、②当該営利企業等やその子法人に対する処分に関する事務などが該当します。
・「要求又は依頼」とは、契約等事務に関して、作為又は不作為を求める行為だけでなく、公開されていない事項に関する質問(情報提供の要求)も規制の対象となります。
とされています。

行政の行為や判断を不当に歪めないようにとの趣旨で公務員OBによる働きかけ規制がおかれているはよくわかるのですが、「・・・関する事務など」に関して「公開されていない事項に関する質問」という点は、規制対象としてあいまいかつ厳しすぎると思います。

普通のセンスで考えれば、再就職先のビジネスに関する規制の適用に関して非公開ではないがインターネットなどで積極的に公開されていない運用解釈の考え方などについて出身元に質問すること自体がアウトである、と読める内容です。

世の中ではでイノベーションやそのための規制緩和が重要という声も大きいわけですが、そのためには現行制度をキチンと理解し、制度の活用と限界について当局と互角に意見交換し、場合によっては実務的に落とし込める制度改正提案をできる人材が必要です。

しかしそうした知見ある人材が民間側には全く足りていない状況で、本来もっと公務員経験者が外に出てそうした役割において活躍できればと思うのですが、現行のような働きかけ規制があるとイノベーションにチャレンジしようとする企業としては公務員経験者は非常に活用しにくくなってしまいます。

そんなこともあって、若いベンチャーなどは行政経験のない素人的な人材が落しどころのない不毛な規制緩和要求や不満を述べている傍ら、昔ながらの大企業はおつきあいや一種の人質的に公務員出身者を囲うだけでせっかくの人材や知見を活用することなく腐らせるのみという状況にあります。

そもそも天下りの問題というは、本質的にはまず補助金頼りの不要な団体が存続され税金が無駄に使われることが最大の問題であり、次に助成金の交付や許認可において枠に数の限りがある制度についてルールの範囲内ではあっても最終的に情実的な選定がされる可能性があるという不公平の問題があると考えられます。(ルールを逸脱して不公平な判断をするのはそもそも違法なので論外。)

逆に言えば、これらの問題については強い規制と監視を働かせればよいのですが、それ以外の再就職に係る単なる情報提供や元職員の働きかけ規制などは性悪説的な事前防止に偏り過ぎていて、これでは公務員が外に出て活躍をすることを阻害するだけの非生産的な制度になっていると思います。

今回の問題は問題として律するべきとは思いますが、これを機に公務員が外に出て活躍しやすくなるよう、公務員の再就職規制も見直すべきだと思う次第です。


最後に(少しPRですが)、現行規制で出身元の組織に働きかけができないからとって、霞が関出身の政策人材を活用する方法がないわけではありません。政策人材のスキルのコアは特定分野の専門的な知識ではなく、政策が作られるプロセスや制度の根幹となる考え方の理解、当局側に話を持っていく際に抑えておくべき政策観点上のポイントの理解といった比較的汎用的なものであり、個人のセンスの差はあれど他の省庁における政策渉外においても十分活躍可能です。 

そんなわけで、霞が関出身者などの「政策人材」の活用に関心のある企業、あるいは外部での活躍機会に関心のある「政策人材」の方、ぜひRevolveにご連絡・ご登録ください!

Revolveウェブサイト https://www.revolvejp.com/
連絡先  info@revolvejp.com

sns_share-001