毎度久々のゴゴログ、タイトルから大前研一大先生をいじっててちょい自分でも引き気味wですが、今回は法人税減税についてです。

※追記:読者の方からコメントいただき、どうも記事と大前先生の元の話はニュアンスが違うようです。最後にいただいたコメント内容を貼り付けておきますんで、「大前センセ」は架空の人物として一通り記事をお楽しみいただき、コメント内容をご確認ください。(っつか、これ本当なら大前先生のブログスタッフは説教やな。) 


大前センセ、こんなことをブログで書いていらっしゃいます。


"政府は全くもって経営・経済を理解できていないと言われても仕方ないレベルだと思います。政府は、法人税減税を理由に「設備投資」「給与の引き上げ」を経団連に要求しているようですが、「法人税を引き下げて残るのは何か?(内部留保と配当)」ということすら分かっていない証拠です。"


この辺り、確かにどこまでマスコミやら一部政治家が理解してるか確かに怪しいところもありますけど、かといって政府サイドもそこまで単純バカな話でもないっすよ、というところが今日のテーマであります。

最初に企業会計にあんまり詳しくない方に説明しておくとですね、法人税というのは売上から人件費やら設備投資にかかる減価償却費やら諸々コストを引いた利益に対してかかるわけです。で、税金払った残りから株主に配当を支払って、その残りが内部留保に回るということです。

つまり、そもそも国内投資ニーズがないから内部留保たまっとるのに、そこで法人税下げても余計留保増えるだけやろ、というのが大前センセのツッコミの趣旨ですね。


しかしながら、法人税減税については内部留保がどうたらというより、かねてより国際立地競争の観点から語られてた話なんですよこれが。

もう少し平たく言うと、国際的企業は、どこに立地するかにあたって税引後利益に対する投資効率を重要視するワケですが、日本については比較的高い法人税率のため、海外からの投資のハードルになる、海外への拠点流出につながるとの問題について近年議論が続いていたということです。

で、今回の話ですが、「税率下げたるからお前ら海外にばかり投資せんと、国内再投資に回せよ?」「合点承知!」という政府と経団連との伝統芸的な政治取引なワケです。

ここでターゲットになるのは海外へ投資できるような国内企業と、潜在的には日本への投資を検討する海外企業だけで、そもそも国内にしか投資ニーズがないドメ企業にとっては少なくとも設備投資増大とかあんま関係のない話しです。

しかも、法人税引き下げの原資は、外形標準課税の強化ということで、これはたとえ赤字であっても税金払えよという話ですが、国内法人の6〜7割は赤字計上しているとされ、圧倒的多数の中小企業にはマイナスな話でしかありません。

このあたり、分かってる政治家にしろ経団連にしろ、海外流出対策や外資誘致支援の文脈を出しすぎると、国内中小を踏み台にしてグローバル大企業にしかメリットがない話やないかい!と政治的リスクが高まるのであえて口にせず、アホっぽく「法人税減税歓迎、設備投資10兆円OK!」とやっとるワケです。

こう書くとゴゴも批判的なのかと思われるかもしれませんけど、外形標準課税強化で赤字ゾンビ企業の退出を促しつつ税率引き下げで国際的な企業立地環境を高めるのはスジとしてそう悪くないと個人的には考えております。

まあ税率要因だけで企業が事業投資や統括拠点立地を決めるワケではないので、法人減税だけででどこまで国内投資が増えるかは微妙かもしれませんけど、多少なりとも設備投資にはプラスになる話しかと。


というワケで、大前センセもこれくらいは理解してから政策批判して欲しいよねw、という話でした。

あ、この記事のタイトルは大前センセのブログタイトルへのオマージュですんで、そこんとこもよろしくお願いします。


※追記:いただいたコメント

”実は、私もご指摘の記事のもとになっている大前研一ライブというネット番組を毎週見ておりまして、ゴゴ様のご指摘内容は大前さんの意向とは少し異なっているようでした。

大前さんはゴゴ様のお考えを踏まえたうえで、そもそも過去には法人税を大幅に下げてきた経緯があるがその効果はなく、また今回の減税は今までと比べても僅かなので、より意味が無い、というお話をしていたと記憶しています。

またゴゴ様もご理解の通り、法人税は最終的な純利益にかかりますので、法人税の減税と設備投資や人件費の削減は直接的な関係性がなく、また海外の法人税率と比べると今回の提案されている税率(20%台)でも十分に高いので、意味が無いという趣旨の指摘をされていました。

逆に法人税を上げたほうが、企業にとって最終利益を出す意味が減るので、人件費の値上げや投資につながる、という趣旨だったと把握しています。

ですのでゴゴ様のご理解された意図とは若干異なるようです。

引用されているニュース記事「ニュースの視点」はそれの抜粋のようですので、誤解を生みやすい内容ですね。”