2015年7月15日、衆議院特別委員会で可決された安保法案ですが、強行採決だ戦争法案だとなかなかに物騒な感じですね。さてこの安保法案、知性を図るに持ってこいのネタなので、占い風に行ってみましょう!

1. 安保法制は必要ない。なぜなら戦争に巻き込まれるリスクが高くなるから。
2. 安保法制は必要と思うが、憲法9条に違反しているから反対。
3. 安保法制は必要。憲法違反の疑いはあるかもしれないが、今回実現すべき。
4. 安保法制は必要。憲法9条とかどうでもいい。

さて、あなたの意見はどれですか?
今日の安保占いスタート!


1.を選んだ人は、「左巻きバカ」です。あなたはアメリカ国内の動向も知らず、南シナ海で中国が強硬な埋め立てを実行している姿をみても、アメリカが沖縄から撤退するかもしれなくても、きっと誰かが日本をずっと守ってくれると信じている平和ボケ野郎です。中国が攻めてきたときには、ぜひとも「戦争反対!」のプラカードを持って自ら最前線に突っ込んでください。

2.を選んだ人は、「賢いだけの評論家」です。立憲主義国家として憲法違反の疑いのある法制に反対するのは理屈として正しいですが、日本国憲法って実際に変えられますかね?多くの国民が安保法制の中身や必要性も理解しないまま「反対」という姿勢を示す国情にあって、9条改正について衆参両院で2/3の賛成を得て、国民投票で過半数の支持を得るなんて、完全にムリゲーですよ。だったら安保法制なんかいらないっすか?それでは1.の人と一緒にプラカードもって立ちはだかってください。

3.を選んだ人は、「政治家向きなリアリスト」です。おそらく改憲の非現実性を踏まえつつ、アメリカ国内の動向を理解したうえで、中国の脅威にどう立ち向かうべきかを現実的に考えている健全な知識人です。しかしそんな人は少数派で、おそらくあなたは世の中一般から変人と思われていることでしょう。

4.を選んだ人は、「単なるバカウヨ」です。政府が憲法の縛りから完全に自由になることを是とするのは、左巻きの人と同じくらいお花畑です。ぜひ立憲主義国家成立以前の非道な社会にタイムトラベルしていただければと思います。


(今日のポイント)
この占い(?)のキモは、「安保法制の必要性に関する国際情勢に理解があるか」と、「憲法改正のリアリティをどうとらえているか」の2点です。安保法制に反対のスタンスを取っている人は、この2点をキチンと考えてないんでしょうね。

安保法制がなぜ必要かについては、前回の記事(http://gogotomo.ldblog.jp/archives/45357865.html)でも書いていますけど、特に議論の中心になる集団的安全保障に関しては、内向き化するアメリカに日本周辺の安全保障にコミットしてもらい続けるために、その内容の充実度は別として、少なくとも看板として欠かせないものです。

アメリカの国内世論が、もう外国のことなんか放っておけ、俺らは自分たちだけでやっていける、という方向に傾きつつあるなかで、安保法制で日本がアメリカの戦争に巻き込まれる!なんて妄想は無知もいいところです。安保法制を必要としているのは日本であって米国ではありません。というわけで、戦争反対とか叫んでる人は、「自分は何も知らない馬鹿なんです!」と宣伝していると判断させていただいております。

他方、(安保法制の意義は分るが)憲法違反は許されないという意見は、論理的には間違ってないですが安保法制の実現の前に何年かけて憲法改正を実現するおつもりなんでしょうか?

今回の安保法制について、憲法との関係が微妙であるのになぜそんなに急ぐのか?という意見もちらほら見受けますが、アメリカが来年2016年に大統領選を控えていることが一つの鍵です。選挙戦に向けてこれから世論の風を読んでの議論が出て来ると思われますが、主要候補者が米軍の海外展開からの撤退を打ち出せば、米軍が早晩日本からいなくなってしまうシナリオも現実味を帯びてきます。

そんなタイムフレームの中で、いったい何年かけて改憲議論をし、その後法制議論をするつもりなのか?アメリカが東アジアの安保体制から離脱するリスクを押しとどめるためには日本も集団的安全保障へのコミットを示すことが必要ですが、大統領選真っ只中の来年では遅く、今年がまさに正念場なわけです。

(ちなみに安倍首相の訪米時の議会演説で、先走りと批判されながらも夏までの安保法制実現をあえて踏み込んで話したのは、このあたりの米国世論の意識変化をきっちり押さえた谷内NSC局長・元外務次官の演出でしょう。) 

このように考えると、南シナ海をめぐる実際の脅威に対し、日本の平和を現実的に維持・担保するためには、非常識的に「硬すぎる」憲法にとらわれ過ぎずにひとまず安保法制を即時的に認めつつ、とはいえ立憲主義国家として憲法との整合性は後追いでも時間をかけて調整していく、というのが現実的な判断のあり方ではないですかね?

とにもかくにも、自分のアタマでは何も知らず・知ろうともせず、何となくの雰囲気やマスコミの論調にのせられて「戦争反対」「安倍政権は信じられない」とか言ってるナイーブな人たちを見ると、「平和」がまるで空気のように維持するコストがかからないと思われている日本ってホントいい国なんだなと皮肉ながら思うところです。

日本の平和を心底希求するなら、朝の番組でやってるクソ占いレベルの浅い選択してちゃダメっすよw

それでは知性ある良い1日を!