百田尚樹氏が自民党若手との集まりで「沖縄2紙(琉球新報・沖縄タイムス)をつぶさないと」と発言した件をめぐって、いろいろと騒ぎになっておりますね。

まあさすがに、権力でもって言論の自由を侵さんととられるような文脈でのこの発言はさすがに支持はしかねるわけですが、琉球新報と沖縄タイムスはなくなった方がいいよな~という点は、心底理解できるところです。

「え、なんで?」とか、「あーゴゴも右翼か」などと思われるかもしれませんが、この話には色々と日本の安全保障に絡む背景がありまして、そのあたりここらで一度整理しておこうと思う次第です。

(ちなみに始めに申し上げておくと、百田氏については、「殉愛」をめぐるゴタゴタなど、個人的にはあまり好ましからざる人物とみておりまして、今回記事でもって氏を擁護しようなどという意図はまったくございません。) 


沖縄2紙と沖縄独立運動

まず、話題になっている琉球新報・沖縄タイムスって、どんな新聞かご存じでしょうか?県外者はほとんど読むことはないでしょうが、ちょうど先日、木走正水氏が書いてくれておりまして2紙合わせてなんと新聞購読数シェアが合わせて99% です。沖縄で新聞読んでる人は、ほとんど全員どちらかを読んでいるということですね。

でまあこの2紙が非常に左寄りと言われており、米軍基地問題などでも激しく中央政府の方針に反対しているわけなのですが、これがどれくらい左寄りなのかというのが、新聞社として「沖縄の独立運動」を喧伝するくらい激しく左です。(これって左というレベルなんだろうか?ほぼキXガイ。。)

(参考リンク)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-206664-storytopic-11.html
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-236255-storytopic-1.html
http://blog.goo.ne.jp/taezaki160925/e/12e0fefd17ec6e6bbee973881461e171


沖縄県が独立しようとしてるなんて、聞いたことあります?荒唐無稽な話で、県内の人でさえほとんどは一笑に付す話のようではありますが、沖縄(琉球)独立論は、長い年月をかけて徐々に浸透してきています。

ではなんでそんなトンデモな話が脈々と続いているかと言えば、その陰で中国が安全保障などに関する国内世論の分断を図り、可能であれば沖縄に大しても自らの影響下に置こうとする工作しているから、というのがゴゴの推測です。

参考までに、2005年には国連人権委員会に対するディエン報告案というものがあり、ここに「沖縄が独立領になることを望む者もいる」という記述がありました(※)。

個人的にはこれが最初に独立論の存在を知ったきっかけなんですが、当時の人権委も色々キナ臭くてディエン報告でググれば色々でてきますけど、既にこの頃から工作活動の陰が感じられます。
(12ページ・パラ53)

一昔前であれば、こんな陰謀論めいた話は眉唾で見られたでしょうが(自分も大抵の陰謀論は疑ってかかるタイプ)、慰安婦問題などをテーマに中韓がアメリカの議会やメディアに工作をかけているのが明らかになっている今日、沖縄が中央政府に反対する運動に中国がカネを流していたとしてまったく不思議ではありません。


沖縄2紙が中国から直接に支援を受けているのかどうかはわかりませんが、こうした状況を2紙が知らないはずもなく、にも関わらず、沖縄独立運動などという超マイナーな議論を無理くり取り上げてまで沖縄の人々の「本土からの被差別意識」や中央政府への反感を煽り立てようとする姿勢は、メディアとして主張しうる言論の自由を超えているというのが、個人的に2紙がなくなってもいいと思う理由の一つです。


日本の安全保障をめぐる米・中の動向

さて、もう一つ、百田発言でさらに過熱した安全保障問題について少し触れておきます。ここまで抑えておくことで、とはいえ「新聞社をつぶせ」とまでの意見が出てくる背景がよく理解できるかと思います。

まず、中国については特に説明する必要もないかと思いますが、フィリピンも領有権を主張する南沙諸島沖で、軍事施設用途とみられる埋め立てを強行しています。まあ、そういう国です。

(参考リンク)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1502R_V10C14A5FF1000/
http://www.asahi.com/articles/ASH3L42FYH3LUHBI00Y.html


一方のアメリカですが、日本側から集団的自衛権のニュースを見ていると、「アメリカの戦争に日本が巻き込まれる!」「日本はアメリカの言いなりか?」みたいな意見をよく聞くのですが、真相はむしろ逆で、日本の都合でアメリカにお願いに言ってるハナシと理解するほうが正しいと思います。

日米安保の傘の下でヌクヌクと過ごしてきたせいか、多くの日本人はおそらく無意識のうちにでも、もし尖閣諸島に中国軍がやってきたらアメリカ軍がなんとかしてくれるだろうと考えているでしょう。

しかし、最近人から薦められた"SUPER POWER"なんぞを読んでおりますと、アメリカ人はどんどんと内向的になり、中東をはじめ海外のことなんか放っておけ、という方向に傾いているようです。



アメリカはシェールガス革命などのおかげで、エネルギーも含めて完全に自国でやっていける経済を実現している一方で、イラク問題など海外問題に首をつっこんだ件では多くの財政資金と自国民の命を犠牲にし、しかもそれで現地から恨みを買うだけで何も得られない、という状況に辟易としている雰囲気が示されています。

つまり、日本の状況になぞらえて言えば、「極東の島国のさらにちっぽけな島のために、自ら血を流そうとしない奴らのために、なんで俺らアメリカ人が生命のリスクまで負わなといかんのよ?」ということです。まあ逆の立場で考えれば、至極当然ですな。

中国は下手すると平気で領海を侵してくる、他方でアメリカは「もう俺らええやろ」という気分が国民の中に蔓延している、そういう状況の中で、「アメリカさん行かないで、ウチにアンタの苦しみを分けて!」と抱き付きにいっているのが、今の日本の集団的自衛権をめぐる議論の実相なワケです。


まとめ:

そんな中で、中国の工作にのっかって沖縄独立運動を盛り立てんとし、返す刀で、なんとか在日米軍を離さないように辺野古移転を進めようとする政府方針に反対するために、沖縄住民を「差別」しているなんて妄言を吐いて扇動し、国論の分断に大いに貢献している2紙の報道姿勢を見ると、これら背景を理解している者ならば、大抵の人は「つぶれりゃええのに」という思う気持ち自体は理解できるんじゃないかと思います。

平和主義だ言論の自由だといって観念論を振り回しているうちに日米安保体制が崩壊して中国軍がやってくるのと、憲法問題をあいまいにしつつ集団的自衛権を実現した日本が軍国主義化するのと、どっちがシナリオとしてリアリティありますかねえ?と個人的には思うところですが、日本をとりまく状況は、どちらを向くにせよだいたいこんなビターな感じになっております。


まあいずれにせよ、今回の騒動を陰でせせら笑っているのは中国でしょうな。
(自分が中国側なら、「しょーもない話で勝手に国内で対立しとるで、アホやww」と確実に思ってますもん。)

というわけで、百田発言は「不適切」と切り捨ててつつ、集団的自衛権の話は粛々と議論するのがスジだと思います。