(2015/6/3追記:佐藤氏からコメントいただきまして、規約変更するとのこと。詳細は後掲。)


本日、Facebookのタイムラインに、このようなリリースがシェアが流れてきました。

決済プラットフォーム「SPIKE(スパイク)」、 保有額に対して年間1%の割合で増える電子マネー 「SPIKEコイン」の提供を開始

SPIKEコインは、ユーザや事業者がチャージすることで使えるプリペイド型の電子マネーです。使用額に応じて最大5%のコインが付与されるのに加えて、保有額に対しても年間1%の割合で増えるため、他の電子マネーよりもお得に貯めることが可能です。


このサービスを提供するメタップスさんという会社は、ネット系ベンチャーに関心ある人なら聞いたことがあるかと思いますが、CEOの佐藤航陽氏の若さと「構想力」、そして彼個人の洞察深いブログ記事などによってその界隈ではかなりの評価を集めている会社のようです。

株式会社メタップス 佐藤航陽 「地球規模の構想力」で究めるインターネットの未来

「人間には賞味期限がある、という"焦り"を常に感じています。だから、数年以内に地球全体の10分の1へリーチする見込みがなければ、サービスを手掛けようとは思いません」



また、会社のウェブサイトを見ても、「世界の頭脳へ~コンピュータにあらゆるデータを学習させて、人々のあらゆる意思決定を支える頭脳になることを目指しています。」と掲げられており、流行のビッグデータ系ハイテクベンチャーであることを伺わせます。


それだけのハイテクベンチャーが新たに発表した電子マネーなんだから、 何らかスゴいハイテクに裏打ちされて、保有額の1%やら使用額の5%なんて大判振る舞いができるのだろうかと期待しつつも、かつてビットコインの仕組みを執拗においかけた本質直観派の私としては、どうもニオってくるわけですよ。



spikecoin1

spikecoin2


と、ツイッターでも書いたように、使用額に対して5%の付与ってのは、普通は決済用の電子マネーというよりは、死蔵益(購入・付与されたポイントの一部が使われないまま発行元の利益になること)を前提にしたポイントサービス的なスキームでないの?と思ったわけです。

というわけで、スパイクコインについてちょいと調べてみましたよと。 以下、ちょっとややこしいですが、しっかり読んでくださいね。 

(注:以下については、追記に記載のとおり現在はすでに規約変更されておりますが、そういう話があったというネタとしてお楽しみください。)
8. 口座管理手数料
8.1 ユーザーは、最後にSPIKEふえるコインがチャージされたとき又はユーザーの保有するSPIKEコインの一部が使われたときから1年間経過した日に、当該ユーザーが保有するSPIKEコインの20%に相当するSPIKEコインを口座管理手数料として当社に対して支払う ものとします。また、ユーザーは、その日から1年経過した日に、当該期間中にSPIKEふえるコインがチャージされず、かつ、ユーザーの保有するSPIKEコインの一部が使われない場合には、初年度の口座管理手数料と同額のSPIKEコインを口座管理手数料として当社に対して支払う ものとします。また、ユーザーは、さらにその日から1年経過した日に、当該期間中にSPIKEふえるコインがチャージされず、かつ、ユーザーの保有するSPIKEコインの一部が使われない場合には、残高すべてを口座管理手数料として当社に対して支払う ものとします。ただし、口座管理手数料徴収時に当該ユーザーの保有するSPIKEコインの残高が3,000コイン以下の場合には、残高すべてを口座管理手数料として当社に対して支払うものとします。
(注:文中の「SPIKEふえるコイン」というのは、チャージ購入で得られるコインで、その他におまけ的に無償で付与されるものは「SPIKEボーナスコイン」とされてます。)


つまり、「最後に使ったりチャージした日から1年ほったらかしにしてると20%もってくよ、さらに1年ほっとくと残高に関わらず同じ額さっぴくよ、そのまま3年経過すると全額没収しまっせ~」、ということです・・・おいおい。

マイレージやら使用額に対してウン%のおまけポイントに有効期限があるのは普通ですけど、Edyやらnanacoといった、一般的なプリペイド式の「電子マネー」は、購入した分については有効期限は設けられてません。それとくらべると、メタップスさんはやり方がちょいと乱暴じゃないですかねえ。


ちなみにこれは資金決済法上、ほかのプリペイド式電子マネーでも同じですが、一度チャージすると払い戻しはできませんし、今のぞいてみたところ全17品目しかなさそうなSPIKE Marketでしかつかえないらしいですが、勢いでチャージしちゃった方は1%もらえるどころか20%没収されないように頑張って使ってくださいね!

1. SPIKEコインの利用範囲と価値
ユーザーは、SPIKEコインを、 当社のSPIKE Marketにおいて販売される商品等の代金決済の方法として利用することができます。 ユーザーは、SPIKEコイン 1コインを1円として代金決済に利用することができます。
6. 再発行・払戻し
当社は、理由の如何を問わず、SPIKEコインの再発行及び換金をいたしません。また、当社が特に認める場合又は法令等により払戻しが義務付けられている場合を除き、SPIKEコインの払戻しは一切いたしません。


というわけで、ハイテクベンチャーを謳うメタップスさんがこのたびリリースされた「SPIKEコイン」が、技術的にはありふれた単なるプリペイド式電子マネーである一方、「死蔵益」というより積極的に殺しに来るレベルの利用規約が非常にイノベーティブなサービスだったというお話でした。


2015/6/3追記) 佐藤氏から規約修正する旨のコメントいただきました。

「分かりにくい規約でご迷惑をおかけして申し訳ありません。他電子マネーを参考にして口座手数料は全廃し、失効を「最終利用時から3年以上の経過」と規約変更をいたしました。始まったばかりのサービスでご迷惑をおかけしますが、徐々にご満足いただけるものにしていきたいと思いますので引き続きよろしくお願いします。」

みたら早速かわってた。
8. 有効期限
SPIKEコインに有効期限はありません。ただし、最終利用時から3年間以上経過している場合は、SPIKEコインが失効します。最終利用時とはSPIKEふえるコインがチャージされたとき又はユーザーの保有するSPIKEコインの一部が使われたときを指します。

こんなマイナーなブログに素早く対応してくるところは立派ですね。

とまあ本記事のそもそもの意味はなくなったんですが、途中経過含めて一つのコンテンツとして残しておきます。