先日、こんなネット記事が出ておりました。

安倍首相が力を入れる第三子以降に特化した少子化対策は効果があるのか?

安倍首相は2014年7月19日、少子化対策において特に第三子以降に特化するやり方を積極的に検討すべきだとの考えを示した。第三子以降を重点化するやり方は、即効性が高いといわれているが、一方で経済的問題という大きな障壁も存在している。
さて、これを見て皆さんどう思われますか?

この方針のとおり、第三子以降に特化することでどこまで少子化対策に効果があるかは、ゴゴもよく分かりません。しかし裏を返せば、第二子までは経済的な政策支援の意義は低いともとれます。そして、これは正しい判断です。

少子化対策として、育児におカネがかかるから子ども手当など経済的支援を、みたいなハナシが良く出てきますが、個人的にはこれは効果の薄いバラマキ・愚策だと考えています。育児におカネがかかるという問題意識を持つのは、こどもを産んで育てて初めて実感できることであり、カネがあろうとなかろうと、カップルがいれば一定割合でデキちゃうものはデキちゃうワケです。


正しさを裏付ける「完結出生児数」

これを裏付けるデータとして、「完結出生児数」というものがあります。(「完結出生児数」というコトバは、今回調べてゴゴも初めて知ったんですけどね。。) 

・国立社会保障・人口問題研究所のページ (以下の図表は全て下記リンク先から引用) 
 http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou14/chapter2.html

これは夫婦が平均的に何人の子供をもつか、という統計データですが、近年微減はしているものの、概ね約2人で安定しています。 

 


そしてより興味深いのは、以下のデータでして、「子ども2人」というのは、1977年以来一貫して過半数を占めているわけです。一方、「3人」の層は2002年と2010年の比較で約10%ダウン、一方で「1人」の層が7%アップしています。そしてこの「1人」以下の層の拡大は、リンク先にも記述がありますが、概ね晩婚化の影響とみられます。 
※「妻の結婚年齢が20~24歳の夫婦では平均出生子ども数が2.08人であるのに対し、25~29歳では1.92人、30~34歳では1.50人となっている。」との分析。 

 


つまり、年齢による出産可能性や体力の問題をのぞけば、結婚したカップルは放っておいても大体は2人の子どもをつくるわけで、ここに経済支援をしたところで、ほとんど実質的効果はないということです。これが、「少子化対策において特に第三子以降に特化する」ことが正しい、と言った理由です。 

2つの個人的アイディア 

さて、第二子までの経済支援には意味がないのですから、子ども手当なんぞは全廃して、必要な施策に集中投下する方が効果的です。そこでゴゴが思いついた2つの施策アイディアを書いてみます。 

その1は、第三子への支援ということに即してですが、3人目のこどもの保育料や学費はすべて公費負担で無料にする、というものです。これで高い私学だろうが海外留学だろうが心配する必要はありません。"2 get 1 free" (2つ買ったら1つタダ)とまではいきませんが、どうせやるならこれくらい振り切ったらお得感があおられませんかね? 

その2は、第三子ではなく、女性が20代で第一子を出産したらインセンティブをつける、というものです。「20代出産で100万円!」とかどうですかね?これは子ども1人以下の層が晩婚化によって増えている現象への対策ですが、若い夫婦には経済力が低いことが多いでしょうから、これを援助する意義もありますし、何よりも高年齢化による不妊対策として、単なる啓蒙よりもよっぽど効力があると思います。 

少子化の背景にある、より大きな問題 

さて、ここまで読んできて、結婚したカップルの子どもの数はそう変わらないのに、なぜ少子化が進むのか?と思った方、もう答えが見えてますよね。下記のグラフは端折っていえば、結婚した人と女性全体での出生率の差を示しています。これを読み解くと、結婚していない女性の出生率がどんどん下がっているというワケで、少子化の背景にある一番の問題は、ズバリ「非婚化」だと考えられます。 


 


この二つの出生率のかい離は、1980年あたりから差が大きくなっているかなり長期のトレンドなので、女性の社会進出による非婚化などもあるのかもしれませんが、直近では、雇用の不安定化による若年層の貧困拡大が非婚に大きく影響しているとの問題も指摘されています。 

(参考) 
男性、非正規雇用で高い未婚率 男女共同参画白書  (日本経済新聞) 
あしたが見えない ~深刻化する"若年女性"の貧困~ (NHK・クローズアップ現代) 
生涯未婚率の推移 (内閣府男女共同参画局) 


非婚化がどのようなメカニズムで進んでいるのか、そして直近の若年層の貧困拡大といった問題は、上にあげたアイディア程度の対策レベルとは全く異なって、どう解決に向けて取り組めるのか非常に難しい問題ですが、若年層対策に取り組むことが、少子化対策のみならず、日本の将来にとって一番の課題であるような気がします。