ごぶさたしております。最近なかなかゴゴログで書こうという意欲が湧いてくるネタがあまりありません。

それというのも、安倍政権がなかなスキなく手堅い政策方針を打ち出してくるからなわけで、「オマエ何言ってんだよ、分かってね~なww」的な香ばしい話が大好きなゴゴとしては、少々物足りない日々だったりするわけです。(笑)

そんな中、最近結構ハマっているNewsPicksを見ていたら、こんな記事が。。。
・「日本人の生産性」は先進国で19年連続最下位 非効率なホワイトカラーの働き方はどう変わるべきか

NewsPicksはいろんな方が記事に各自のコメントをつけられるニュース・キュレーションサービスですが、ものの見事に「日本人は働き方が非効率。無駄に長時間労働しすぎ。もっと効率的に働かないと!」みたいなコメントにあふれておりました。

しかし、労働生産性が低いのは、日本人の働き方が非効率だから」というのは全くの誤解です。

悲しいかな、記事で紹介されているような業務支援システムを入れていくらシコシコ効率化を図ったところで、システム屋が儲かるだけで労働生産性はあがりません。


そもそも、労働生産性=産出付加価値÷労働投入量(労働時間) で算出されます。 

で、日本人はそんなにメチャクチャ長時間働いているかといえば、もはやそんなことはありません。「データブック国際労働比較(2013)」のp.189に労働時間の国際比較データが出ていますが、平均労働時間は年間1800時間を切っており、アメリカやイタリアを下回っています。(算出方法の違いで、一概に比較できないとの注釈はありますが。) 

ちなみに、記事中で紹介されている各国の労働生産性比較(「日本の生産性の動向2013年版」)を見ると、アメリカの労働生産性は日本の約1.5倍なので、単に働き方が問題って言うなら、日本人は労働時間2/ 3にしなきゃ追っつかないワケです。これっってフルタイムが平均で一日5~6時間しか働いてないレベル。そんな業務効率性の差なんてあるわけありません。(だって相手は「平均的な」アメリカ人ですよ。。。) 

じゃあなんで労働生産性が低いかといえば、日本だけが長年ほぼゼロ成長だったから。 

かつて「日本はものづくりの国!」なーんて根拠のない幻想のもと、新興国の発展の中で競争力を失ってきた製造業に寄りすがり、価格競争と人件費カットに頑張るだけでより高付加価値な産業にシフトすることに失敗、結果20年近くほぼゼロ成長。一方で欧米各国はIT産業や金融にシフトして着実に経済成長を続け、日本だけがおいてけぼり・・・それが日本人の労働生産性低下の背景なワケです。こうしてみれば単純なハナシでしょ? 

というわけで、日本の労働生産性が低いのは、 マクロな産業構造シフトでの失敗の問題で、 ミクロな働き方の話しとはあまり関係ありません。現場の労働者に責任押し付けても全く解決するものではないのです。なんといっても、国と企業の「戦略」レイヤーの話ですから。。 

そこを誤解して、「日本人はもっと無駄を省いてガリガリ効率的に働くべし!」なーんてことになったら、長時間労働は解決するかもしれませんが、よりイノベーションから遠ざかりそうな予感で一杯です。というわけで、個人的にはタバコ部屋でだべったり、カフェでサボってぼーっとするような「ムダ」が省かれないように祈るばかりです。 



(追記) 
  
こちらの記事、結構継続的に見て頂いているようで、めずらしくいくつかコメントも頂いているワケですが、反論されているのかなんなのか、趣旨が良くわからず少々困惑してますw。  

記事としては「日本の労働生産性は低い」ということに反論しているわけではなく、 生産性が低いのは個々人の働き方の問題ではなく、経済成長を実現できない経済政策・経営戦略の問題でっせ、それを働き方が悪いとかいうのは因果が逆じゃないの?というハナシであります。  

なので、日本人の労働時間が1800時間じゃなくてサビ残とかいれたらもっとあるとか言われても、話の結論は変わらないワケです。(一応、労働時間はもっと長いかも、ということは記事書いてるときから想定済です。)  

もし、「日本人は実はめちゃくちゃサボっていて、実質労働時間は900時間なんだ、だから働き方を改めてきっちり1800時間分の仕事をさせて経済成長させねばならん!」という反論なら理解できるんですけどね。   

反論だろうがおふざけなコメントだろうがいただくのはウェルカム(スパムはやめてねw) なので、せっかくコメントいただいた方にケンカ売りたいわけでは全くないんですが、趣旨は明確に!ということでよろしくお願いいたします。