それほど時事的でもないですが、選挙の話です。
近頃、選挙がある度に、「明るい選挙推進協会」(どれほどの存在意義があるんだろ、ここ?)の回し者でもなかろうに、SNS上に「みなさん、選挙に行きましょう!」的なメッセージがあふれるのにうんざりした経験ないでしょうか。

正直どうでもいい話なんですが、最近あまりにもネタがないところ、おときた駿さんの
どうして、選挙にいかなきゃいけないの?-よいこのみんしゅしゅぎ- 
というブログエントリーを見て、じゃ、埋め草程度にこのハナシでもするか、ってくらいの今回の話です。

上記のブログでは、現在西宮市長選に立候補されている今村氏がつくられたとの紙芝居を紹介しており、紙芝居の内容は、こどもにも分かりやすく選挙投票の意義を説明しているものなのですが、これを見たコメントとして、「分かりやすい」とか、「選挙の大切さがあらためて分かった」的な反応があったりするのを見ると、「は?」と感じてしまいます。

ま、こども向けには十分意義ある内容で、おときた氏にも今村氏にも別に噛みつきたいわけではないですが、大人がこれ見て「そうだ、選挙、行こう」的なメッセージを発しているのを見ると、そんなこといまさら感じ入る程度なら、オマエは選挙いかんでエエ、と少し毒を吐きたくなるわけです。


確かに選挙権というのは、絶対的な王権に対して議会が対抗するようになり、その議会議員を民主的に選べるようになったという歴史的経緯のなかでは、非常に大切に守るべきものです。(まっとうな大人であれば、子供向け紙芝居ではなく、過去の人々の多くの血の代償のもと権利を獲得した歴史に感じ入って欲しいところ。)

なので、選挙権そのものが制限されるような事態に対しては、頑として行動するべきだとは思いますが、個別の選挙において、大して興味関心もないのに、「選挙は大切」程度のホワっとしたキモチでロクに知りもしない候補に投票したところで、 何の意味があろうかというもの。それって単なる自己満足じゃないですかね。それを、大上段に「選挙に行きましょう!」なんて言われると、ウザいことこの上なし。

問題は、選挙の争点や候補者の主張に関心を持つことであって、ちゃんと考えたけど結果的に選ぶポイントもないから棄権して遊びにでかけるってのは、決して悪いことでもなく合理的な行動なんじゃないでしょうか。逆に言えば、有権者の関心を高めるような、選挙における争点や候補者自身のアピールを明確にできていないことや、そこにきっちり切り込めていない報道に問題があるのであって、そうした争点が明らかでないにも関わらず、「選挙に行かないのは意識低い」的なスタンスでモノ申されると非常に感じが悪いっす。

ま、棄権するにせよ白紙投票するにせよ、その場合には政治に文句を言う権利を投げた、という心構えで文句言わずいてくれればいいワケです。で、後悔することがあれば、次は選挙にいけばいい。どっちかっつーと、一時的なノリで山本太郎を当選させて鈴木寛を落とすなんてノイジーな投票は控えて頂く方が、世の中のためになるのではないかと思うところであります。以上。

投票率100%の国がいい国かどうかと考えれば、一概に投票率が低いからダメ、というわけでもないのは自明ですね。では。