前回、社会的公正の観点から、「おこづかい稼ぎ労働」の引き締めをすべき、と書きました。(おこづかい稼ぎ労働って何よ、という方は、長いですがその1からご覧ください。。)

今回はその具体的な政策論で、かつ、ここからが、数年来書きたいと思っていた話です。 まずは「引き締め」の前に、労働者間の競争条件を揃えることも必要です。今回のシリーズ(その1)で、イコールフッティングの話をしましたが、企業側が、社会保険も必要としない労働者を選好するというマーケットの歪みをただすために、全ての労働賃金に、一律に各種社会保険・年金をかける、という事を行なうべきです。

その上で、雇用保険の受給資格を満たさなかったりするなど、制度の適用外の個人には、後から還付するようにすれば(これはこれで実務大変だとおもいますが)、個人側の過剰負担を回避しながら、雇用形態にかかわらず、労働コストを一律とする事ができます。

これではじめて、「家計の担い手」と「おこづかい稼ぎ労働者」の、労働市場での外形的な競争条件がそろいます。もちろん、雇用期間の安定性以外の、正規・非正規の格差も解消されます。 ちなみに、雇用保険にまつわる話をすると、法律上、こうした考え方がもともと予定されていたのではないか?というフシがあります。

雇用保険法という法律では、労働者側の受給資格(例えば、週20時間以上働く者でないと、雇用保険の対象とはならない、など。)と、受けられる保険給付の内容を定めています。これにより、働く状況に応じた適切な給付を行うとともに、たいして働かないのに失業給付のみ受けるという制度の濫用を最低限カットしています。 一方で、雇用保険と労災保険を合わせ、労働保険料をいくら払うかということについては、労働保険徴収法という別の法律で定められていますが、そこではこう規定されています。

(一般保険料の額)
第十一条  一般保険料の額は、賃金総額に第十二条の規定による一般保険料に係る保険料率を乗じて得た額とする。
2  前項の「賃金総額」とは、事業主がその事業に使用するすべての労働者に支払う賃金の総額をいう。

これを見ると、アルバイト・パートにかかわらず、全ての賃金に対して保険コストがかかるようにみえます。ところが、労務実務にあまり詳しくはないですが、雇用保険については受給資格がない者の保険料は実際には徴収しておらず、労災保険については一律徴収しているというのが現状の実態のようです。

これが本当だとしたら、現状の雇用保険の運用は法律に沿ってないという大問題なのですけど。。この点を指摘する話は検索かけても見当たらないのですが、あるいは徴収法上、どこかにきちんと除外要件が定められているのでしょうか?
(ご存知の方いらっしゃれば、ぜひ教えてください。)

雇用保険の話が長くなりましたが、政策論としても法律論としても、雇用形態にかかわらず各種保険料を一律にかけるというのは、変な話ではないというか、本来そうあるべきじゃないのとゴゴは考えるのですが、いかがでしょう?


さて、その上でやっと本題?の「学生アルバイト・主婦パートの規制」についてです。このタイトル、少し目を引きやすいようにこうつけましたが、全体読んでいただければ分かるように、「おこづかい稼ぎ労働」の引き締めの話を意図しています。 今の世の中、そんな気楽な学生・主婦の方がどこまで残っているのかアヤシイところではありますが、その残像を含めて労働市場から締め出さないと、低賃金で均衡がなりたっているサービス産業の労働市場の改善はできません。

で、具体的に何をせえっていうねん、という話ですが、それはズバリ、学生の週あたり労働時間の制限と、主婦の扶養認定基準の引き下げです。要するに、「おこづかい稼ぎ労働は、ほどほどにしとけよ」と、「総量規制」をかけたらどうか、ということです。

学生にしろ、専業主婦にしろ、「本務」は労働と別にあるはずです。とすると、一日あたりの適正なおこづかい稼ぎの時間は、せいぜい2〜3時間くらいでしょう。なので、学生については、就労する場合には学校の許可を得ることにして、原則週10~15時間、特別な事情がある場合は別途、と規制をかけてしまえば良いと思います。確か、アメリカでは現にそんなことになっていたような気がします。

主婦については、時給800円程度で一日例えば3時間までと想定して、月労働日数を仮に20日とすれば月収48000円、ざっと月5万円で年間60万円までを各種扶養認定の基準として、現行基準から大幅引き下げすればよいと思います。

現実には、学費を稼ぐためだったり、厳しい家計を支えるために、時間のやりくりをしながら頑張って働いている方が多いと思うので、奨学金制度だったり夜間学校だったり、保育の充実などでフルタイムではないけれど本格的に働ける制度や環境の整備も合わせて考えないといけません。

しかし、いびつな労働市場が存在する結果、こうした学生・主婦も含めて賃金水準が上がらず、働いても生活保護費に満たない収入しか得られないなんてオカシナ状況は、決して認められるものではないとゴゴは考えます。そして、マーケット環境の是正で賃金水準が上がり、デフレから脱することができるなら経済的にもプラスです。

もちろん、国際競争の中で、賃金水準の上昇に耐えられない産業も出てくるとは思います。しかし、そうしたマイナスもありつつ、産業構造の新陳代謝が実現し、持続的な経済・社会の発展が図られていく。これこそ骨太の政策というものではないでしょうか?