さて、今回からは「雇用政策」について考えます。教育と雇用、結構セットで語られるので、テーマ変更にはちょうど良いかと。(でも、ここでは教育とつながる話は多分出て来ません。)

実は、ゴゴは経産省から厚労省・職業安定局っていう、雇用政策を扱う部局に2004〜2006年の2年間ほど出向してました。そこでの知見も含めて、雇用政策に関するいくつかの本質的な問題を考えたいと思います。

まず、今日は、そもそも論として、「なぜ学生バイト・主婦パートは規制されないのか?」について考えたいと思います。

労働市場というのも、一つの取引マーケットですが、マーケットの中では、プレイヤー間の「イコールフッティング(equal footing)」について、が良く論点になります。まあ、そんなカッコいい言葉を使わずとも、競争条件は平等か?ってことです。たとえば、旧郵政公社時代、税金も払わずに民間と同じサービスをするなんて、競争条件が違うじゃないか、不平等だ、と非難されたような話です。まあ、当然の主張ですね。最近では、JAL対ANAが同じような論争してますが、ああいう話しです。

で、これを労働力マーケットで考えると、「学生バイト・主婦パート」ってのは、イコールフッテイングではない存在なのではないか、ってのがゴゴの問題提起です。別に、学生や主婦が悪いというワケではないのですが、彼らの労働の多くは、雇用保険や年金負担といった労務コストがかからず、また、これは全員とは言いませんが、おこづかい稼ぎ的な理由で働いていて、賃金水準が低くても満足する層が多く存在すると思われます。

こういう労働者が、通常の労働マーケットに入ってくればどうなるでしょうか?当然、企業側としては、社会保険負担もなく、しかも比較的安い賃金で満足してくれる彼らを優先して使おうとするでしょう。

昔は、これでも問題ありませんでした。工場労働を含む、「家計の担い手」のための労働市場と、おこづかい稼ぎ的な働き手の労働市場は、ほぼ分断されていたのです。

かつて、製造業を中心に経済が拡大する中では、基本的にフルタイムでガッツリ働ける人間は常に不足し、当時の経済の中でそれほどの存在感がなかった小売・サービス業などは、本格的には働けないけど少しの時間はある学生・主婦を労働力として捕まえるしかないという状況で、「家計の担い手」と、「おこづかい稼ぎ労働者」は、基本的に混じり合うことがなかったからです。

こうして、実質的に二つの労働市場が分かれて存在していたのが、近年は混じってしまっており、これが、日本の雇用問題の大きな背景になっているとゴゴは思うのですが、あまりその点について論じるのを聞くことがありません。

また少し長くなってしまったので、なぜこの二つの労働市場が混じるようになってきたのか、そしてその問題点と、表題にある「学生バイト・主婦パートの規制」を、次回考えたいと思います。

(続きを読む)